本当に？BTCをステーキングして報酬を獲得できる！

コンテンツ

はじめに
BTCステーキングとは
Lombardのビットコインステーキングとは
まとめ
よくある質問

はじめに

長年、ビットコインは「価値の保存手段」として知られてきました。多くの人が購入して保有し、価格の上昇を待つという使い方をしています。しかし最近、次のような意外なフレーズを目にしたことがあるかもしれません。

「BTCをステーキングして報酬を獲得する。」

ビットコインはプルーフ・オブ・ワーク（PoW）を採用しており、ネイティブなステーキング機能はありません。それでも、なぜBTCステーキングが可能なのでしょうか。

本記事では、この疑問をできるだけ分かりやすく解説します。「BTCステーキング」とは実際に何を指すのか、どのような形態があるのか、そしてLombardのビットコインステーキングを例に、ビットコインを保有したまま実際にBTC報酬を得る方法を紹介します。

それでは始めましょう。

BTCステーキングとは

一般的にステーキングと言うと、イーサリアム、Solana、Cosmosなどのプルーフ・オブ・ステーク（PoS）型ブロックチェーンを指します。これらのネットワークでは、トークンをロックすることでネットワークの安全性に貢献し、その対価として報酬を得ます。

一方、ビットコインは仕組みが異なります。ビットコインはPoWを採用しており、マイナーがハードウェアを使って取引を検証します。ステークされたコインに依存していないため、ビットコインのブロックチェーンにはネイティブなステーキング機能が存在しません。

では、BTCステーキングはどのように実現されているのでしょうか。

現在「BTCステーキング」と呼ばれているものは、実際にはいくつか全く異なる仕組みを指している場合があります。特に初心者にとっては、この違いを理解することが重要です。

主なカテゴリは次の3つです。

本来のBTCステーキング

これが最も正確な意味での「ビットコインステーキング」です。このモデルでは、原生BTCをPoSネットワークの経済的セキュリティとして利用します。ネットワークはステークされたビットコインによって安全性を高め、その対価として報酬を支払います。

ステーカーは通常、LBTCのような流動性トークンを受け取ります。LBTCはビットコインと1:1でペッグされており、報酬が蓄積されるにつれて価値が徐々に増加します。

この仕組みは提供者によって分散型またはノンカストディアルとなり得ます。これは、暗号資産エコシステムにおけるBTCステーキングの本質的な進化形と言えます。

CeFi型BTCステーキング

一部の中央集権型取引所やカストディサービスでは、マーケティング目的で「ステーキング」という言葉が使われますが、技術的にはこれはステーキングではなくBTCの貸付です。

仕組みはシンプルで、ユーザーがBTCをプラットフォームに預け、プラットフォーム側がそのBTCを貸し出したり内部運用で収益を生み出します。その見返りとして、利用者は固定または変動の利回りを受け取ります。

このモデルは完全にプラットフォームが管理する貸付商品であるため、カストディリスクやカウンターパーティリスクが高く、利回りも運営状況や財務状態に依存します。便利ではありますが、中央集権型事業者への全面的な信頼が必要です。

DeFiにおけるラップドBTCの運用

このモデルでは、BTCをWBTCやtBTCなどのラップドトークンに変換し、イーサリアムなどのネットワーク上で利用します。ラップ後はDeFiプロトコルと互換性を持ち、Aaveでのレンディング、CurveやUniswapでの流動性提供、さまざまなイールドファーミング戦略に参加できます。

これらはDeFiユーザーに人気がありますが、PoSステーキングではありません。収益はPoSネットワークのセキュリティではなく、DeFi活動やスマートコントラクトとの相互作用から生まれ、ラップ機構やコントラクトの安全性に依存します。

Lombardのビットコインステーキングとは

これらを踏まえた上で、次にLombardのビットコインステーキングモデルを見ていきましょう。これは、原生BTCがどのように安全かつ分散型の仕組みで報酬を生み出すかを示す好例です。

Lombardのビットコインステーキングの仕組み

Lombardのビットコインステーキングでは、原生BTCを利回りを生む形式であるLBTCに変換します。ユーザーがLombardを通じてBTCを預けると、ビットコインはタイムロック付きスクリプトによってビットコインブロックチェーン上にロックされ、その所有権を表す流動性トークンとしてLBTCが発行されます。

Babylonプロトコルを通じて、ロックされたBTCは経済的担保として登録され、参加するPoSネットワークに委任されます。これにより、ビットコインはチェーン外に移動することなく、他のネットワークのセキュリティレイヤーとして機能します。

アンステークする際は、LBTCを原生BTCに交換するだけです。最初にステークした量と引き出す量の差が、ステーキング期間中に得た報酬となります。つまり、LombardはBTCをLBTCに変換することで、シンプルかつ安全、分散型の方法でPoSネットワークのセキュリティに参加できる仕組みを提供しています。

報酬はどこから生まれるのか

Lombardのビットコインステーキングによる報酬は、ビットコインを経済的セキュリティとして採用するPoSネットワークから支払われます。Babylonプロトコルを通じてBTCがロックされると、それはネットワークの安全性を高める価値ある担保となり、各ネットワークのインセンティブ設計に基づいて報酬が支払われます。報酬は通常、それぞれのネットワークのネイティブトークンで発行されます。

Lombardは複数の報酬トークンを直接配布するのではなく、すべての報酬を集約してBTCに変換し、その価値をLBTCに反映します。報酬が蓄積されるにつれ、LBTCはより多くのBTCと交換可能になり、手動での請求は不要です。PoSネットワークがビットコインのセキュリティに対価を支払い、その価値をLombardがBTC建て利回りとしてユーザーに還元します。

BTCがPoSネットワークの経済的セキュリティとして使われる仕組み

PoSネットワークは、ステークされた資産に依存して安全性を維持します。BTCは最も安全で価値の高いデジタル資産であるため、担保として利用することで攻撃コストを大幅に引き上げ、ネットワーク全体の耐性を強化できます。Lombardを通じてBTCをステークすると、ビットコインはブロックチェーン上にロックされ、Babylonプロトコルによって経済的担保として登録されます。

この仕組みでは、ロックされたBTCは金融的な保証のように機能します。ネットワークが正しく運営されている限り、BTCが動かされることはありませんが、その経済的価値自体が不正行為の抑止力となります。PoSネットワークは自前のトークンだけに依存せず、ビットコインの高い流動性と安全性を活用してコンセンサスを強化できます。

コストについて

Lombardのビットコインステーキングは、ユーザーにとって分かりやすい設計になっています。BTCを預けたり引き出したりする際には、オンチェーンでの移動に必要な通常のビットコインネットワーク手数料が発生します。これらの手数料はネットワーク混雑状況によって変動し、Lombard特有のものではありません。

加えて、LombardはPoSネットワークから得られるステーキング報酬に対してプロトコル手数料を課します。この手数料は利益部分からのみ差し引かれ、元本であるBTCには影響しません。また、ロックされたBTCはスラッシングの対象ではなく、従来のPoSステーキングに伴う代表的なリスクの一つを軽減しています。

総合的に見ると、ユーザーが負担するのは通常のビットコインネットワーク手数料と、報酬に基づくプロトコル手数料のみで、コスト構造は予測しやすく透明です。

Lombardビットコインステーキングのメリット

Lombardのビットコインステーキングには、BTC保有者にとって利用しやすく、安全で魅力的な利点があります。BTCをLBTCに変換することで、BTC建てのエクスポージャーを維持しながら、流動性のあるステーキングトークンの柔軟性を享受できます。

BTC建ての報酬を獲得
ステーキング報酬が蓄積されるにつれてLBTCの価値が上昇し、当初預けた以上のBTCを引き出せます。
LBTCを自由に管理可能
ステーキング中でもLBTCを自由に保有・管理でき、DeFiでのレンディング、流動性提供、取引などに利用できます。報酬は保有中のLBTC残高に基づいて継続的に蓄積されます。

高い流動性とロック期間なし
LBTCはいつでも送金、利用、原生BTCへの交換が可能で、蓄積された報酬も含まれます。

オンチェーンで保護されたBTC準備金
基盤となるBTCはタイムロック付きスクリプトによってビットコインブロックチェーン上にロックされ、高い透明性と安全性を提供します。
技術的な複雑さなしで参加可能
バリデータ設定やマイニング機器は不要で、BTCを預けるだけで報酬獲得を開始できます。
ビットコインのユースケースを拡張
BTCはPoSネットワークを支える生産的な資産となり、ブロックチェーンエコシステム全体における役割を広げます。

これらのメリットにより、LombardのモデルはBTC保有者が最も信頼する資産でネットワークセキュリティに参加し、報酬を得るためのシンプルかつ強力な方法となっています。

まとめ

Lombardのビットコインステーキングは、BTCが単なる価値保存資産にとどまらないことを示しています。ビットコインをオンチェーンでロックし、Babylonを通じてPoSネットワークと接続し、LBTCとして報酬を還元することで、BTCへのエクスポージャーを維持したまま利回りを得ることができます。これは、ビットコインの可能性を広げるシンプルで安全、そして現代的なアプローチです。

よくある質問

Q1. BTCステーキングは、ETHやSOLなどの従来のPoSステーキングと何が違いますか。

従来のPoSステーキングは、ブロックチェーン上で直接行われ、ETHやSOLなどのネイティブトークンをロックしてネットワークを保護し、報酬を得ます。

BTCステーキングは異なります。ビットコインにはネイティブなステーキングがなく、LombardはBabylonプロトコルを用いてBTCをビットコインブロックチェーン上にロックし、その経済的価値を外部のPoSネットワークに委任します。これにより、PoW設計を変更することなくBTCで報酬を得ることが可能になります。

Q2. 報酬は手動で受け取る必要がありますか。

いいえ。Lombardは複数のPoSネットワークから得られるすべての報酬を自動的に集約し、BTCに変換してLBTCの価値に反映します。

LBTCは時間とともにより多くのBTCと交換可能になるため、手動で報酬を請求する必要はありません。

Q3. LombardでステークするとBTCはロックされますか。

はい。BTCはタイムロック付きスクリプトを用いてビットコインブロックチェーン上にロックされますが、ユーザーはそのBTCを表す流動性かつ利回り付きトークンであるLBTCを受け取ります。

LBTCはいつでも送金や交換が可能なため、基盤となるBTCが安全にロックされている間も流動性を維持できます。

Q4. LBTCとは具体的に何ですか。

LBTCは、Lombardを通じてロックされたBTCの所有権を表す流動性かつ利回り付きトークンです。

ステーキング報酬が蓄積されるにつれて償還価値が上昇し、LBTCを保有することでBTC建ての利回りを得られます。

Q5. PoSネットワークの一部が停止したり報酬を支払わなくなった場合はどうなりますか。

PoSネットワークが報酬を減らしたり停止した場合、LBTC保有者の利回りは低下する可能性がありますが、基盤となるBTC自体には影響しません。

ロックされたBTCはスラッシングの対象ではないため、バリデータの不正行為やネットワーク問題によって元本が減ることはありません。